乳児湿疹。新生児からのスキンケアの方法

今日は乳児湿疹とスキンケアのお話です。乳児湿疹とは新生児期~乳児期にかけて顔や体に出る湿疹のことです。本来ならプルプルふわふわの赤ちゃんのお肌、少しでもブツブツが出始めたり赤みがあると気になりますよね。

最近では保湿ケアを十分に行うことで、アレルギー性疾患(アトピーなど)のリスクが下がるという報告もあります。今回は①乳児湿疹をはじめとする皮膚トラブルについて②アレルギーとの関連の研究結果③新生児からのスキンケアの方法④我が家の次男の乳児湿疹のお話をします。

こんな人に読んでもらいたい

・赤ちゃんのスキンケアの方法を知りたい人

・乳児湿疹やオムツかずれなど皮膚トラブルがあり悩んでいる人

・ご家族や本人がアレルギー性皮膚炎であり、わが子にもアレルギーが出るかもしれないと不安に思っている人

乳児湿疹と皮膚トラブル

皮膚トラブルと聞くとどういうイメージがありますか?皮膚トラブルとは普段の健康な皮膚とは異なる、なんらかのトラブル(赤みや痛み、痒み、ジュクジュクしている、皮がめくれている、ブツブツが出ているなど)が生じている状態です。つまり、乳児湿疹は皮膚トラブルのひとつと言えます。他にも赤ちゃんの皮膚トラブルとして、オムツかぶれや汗疹なんかも多いですね。それぞれ見た目は異なるもののお肌が健康ではない状態です。実は、生後1か月までに約70%の新生児に何らかの皮膚トラブルが発症するというデータがあります。

我が家でも4人とも乳児湿疹は出たものの、数日から1か月程度で落ち着きました。しかし次男は乳児湿疹がひどく、ほっぺからはジュクジュクした浸出液が出て、カサカサなのに脂っぽい、あれこれ試したもののあまりよくなりませんでした。掻こうとする小さな手を抑えながら眠りについたことも一回や二回ではありません。

皮膚トラブルとアレルギー性疾患との関連

みなさん、アトピー性皮膚炎(通称アトピー)はご存じですよね。幼少期から発症し、大人になっても痒みや痛み、出血など日常生活に支障が出る場合もあります。

アトピー性皮膚炎の原因は先天的な因子環境因子があるといわれています。先天的な因子としては、遺伝的な要因(ご家族の誰かがアトピー性皮膚炎など)、皮膚の過敏性などです。環境因子としては、抗原への暴露や精神的ストレスなどです。普段皮膚トラブルのない人でも、寝不足や疲労感が蓄積するお肌が荒れることがありますよね。

ご家族にアレルギー性皮膚炎の人がいる赤ちゃんは、保湿剤をしっかり塗って過ごした場合と塗らないで過した場合を比べると、しっかり保湿している赤ちゃんのほうがアレルギー(食物アレルギーやアトピー性皮膚炎、気管支喘息など)の発症率が減少したという報告があります。

つまり新生児期からの保湿によって遺伝的にアレルギーが生じやすい子でも、アレルギー発症の可能性を減らすことができるということです。では保湿をすることでどのような効果があるのでしょう。

保湿の目的と効果

保湿には大きくわけて2つの効果があります。

お肌の水分補充

皮膚をバリアする効果

この二つがなぜ大切なのでしょう。

皮膚は乾燥するとバリア機能を失います。バリア機能が低下すると、普段は気にならない程度の外からの刺激(日光や水など)でも大きなダメージとなります。乾燥を防ぎ(水分補充)、刺激から守る(皮膚をバリアする)ために保湿は大切なのです。

そしてバリア機能が低下すると、皮膚トラブルが起こりやすくなります。皮膚トラブルは皮膚が傷ついている状態、その傷から異物(食物の粒子など)が入ってくることで経皮感作が起こり、食物アレルギーが引き起こされると言われています。少し難しいですね(笑)

簡単に言うと、皮膚の傷口から卵や小麦などの成分が入ってしまい、離乳食が始まって卵や小麦を与えると食物アレルギーが出現する、ということです。したがって離乳食開始時には皮膚に傷がない状態であればベスト、皮膚トラブルは離乳食開始前に解消しておくのがいいといえるのです。

では保湿をはじめとするスキンケアの方法をご紹介します(^^)

適切なスキンケアの方法

何度も言っていますが、スキンケアで重要なのは、皮膚トラブルが起きていない健康な状態を維持することです。

スキンケアとは、清潔ケア+保湿です。

清潔ケア:付着物等の刺激から皮膚を保護すること

保湿:外部からの刺激の保護と水分等の喪失を防ぐこと

ではまず清潔ケアからです。新生児の清潔ケアと言えばまずは沐浴ですね。

実は、世界的に見ると沐浴の頻度は国によって異なります。日本や東南アジア地域は毎日、ヨーロッパなどの寒い地域では1~2回/週というほど沐浴の頻度は様々です。暖かい地域では汗の量も多く毎日沐浴が必要といえますし、寒く乾燥しやすいヨーロッパなどでは毎日洗いすぎると皮膚は乾燥しやくなります。

また、ベビーソープは洗浄力が強く、汚れは落ちるものの一緒に必要な皮脂も落としてしまい乾燥する傾向にあります。

では日本は毎日沐浴+ベビーソープは必要でしょうか。日本における沐浴頻度と皮膚トラブルとの関連の調査では、毎日沐浴群は夏場の皮膚トラブルが少ない傾向にあり、秋冬春は洗いすぎずにしっかりと保湿をした群がおむつかぶれを始めとする皮膚トラブルが少ない傾向にあったようです。四季がある日本では、季節によって沐浴頻度やベビーソープの使用頻度を変えるのも一つの方法ですね。

また、赤ちゃんの洗顔はどうされていますか?日本ではガーゼを使って水拭きしましょう、という指導が多いです。しかしガーゼは意外と硬く赤ちゃんのお肌には刺激が強いため、手で優しく洗うかマイクロファイバータオルなどやわらかいもので洗うのがベター。そしておでこから鼻にかけてのTゾーンやほっぺは皮脂の多い部分ですので、状況によって泡で優しく洗うのもいいですよ。

さらに、日本では沐浴の最後の上がり湯がさっと流すのみで、すすぎ不足の傾向があるようです。以前の私もそうでした。すすぎが不十分であると皮膚トラブルの原因になりますので、しっかりとに上がり湯をして石鹸成分を落としましょう(^^)

続いて保湿です。保湿は一日少なくとも2回、沐浴後ともう一回、たっぷりめの保湿剤で全身保湿しましょう。季節によっては回数をもっと増やします。保湿剤のタイプはなんでもOKですが、季節によって使い分けるのもいいと思います。(夏場はさらっと乳液タイプ、冬場は保湿力の高いクリームタイプなど)

また、オムツかぶれはおむつ交換の際におしりを頻回に拭く刺激で乾燥が強くなり生じやすいです。やさしくふき取る+おむつ交換の度くらいこまめに保湿しましょう。おしりにはバリア効果の高いワセリンも有効です。おしりをコーティングしてくれるのでうんちおしっこから守ってくれます。

皮膚トラブルが起きた!どうしたらいい?

スキンケアを念入りにしても皮膚トラブルが出るときだってあります。決して以前の私のように自分を責めないでくださいね。

まずは、皮膚トラブルの部位や症状を確認します。写真で残しておくと日付もわかりあとで受診する際にも説明しやすいですね。そしてスキンケアを今まで以上に念入りに実践してみてください。保湿剤を変えてみるのも一つです。しかし数日~一週間経過しても状態は横ばい、あるいはひどくなっているようであれば小児皮膚科に迷わず受診しましょう。特に皮膚の表面がはがれて傷になっている、ジュクジュクしている、搔きむしって傷ができている場合はすぐに受診しましょう。あらかじめ近くの小児皮膚科を探しておくと慌てずに受診できますね♪あとは先生の指示通り薬を塗ったり保湿をしてみてください。すぐに良くなる場合もあれば、時間がかかることもあります。焦らず気長に付き合いましょう(^^)

次男の乳児湿疹の話と私の反省

最後に次男の乳児湿疹の経過を写真とともにご紹介します。結論から言うとこんなにひどい乳児湿疹になった要因として、

①真冬産まれなのに毎日沐浴+泡洗浄し皮脂まで落としていた可能性。

②ガーゼ+泡で洗顔をしていたがガーゼが刺激が強かった可能性。

③一人で沐浴をしていたこともあり、上がり湯が不十分だった可能性。

④保湿は一日二回していたが、不十分だった可能性。

⑤いろいろな保湿剤を試していたら皮膚科受診のタイミングが遅れた。(これが一番の反省です)

です。上記内容を改善していたら次男の乳児湿疹がすぐ落ち着いたかはわかりませんが、今でもつらかったのを思い出します。

次男は生後一か月すぎごろからぽつぽつと顔に乳児湿疹が出始めました。長男も同じ時期に出ていたので特に問題ないだろうと思い、毎日沐浴+泡洗浄+保湿剤をしていました。

湿疹が強くなり始めたころです。生後一か月半

おでこやほっぺに赤みのある湿疹、眉毛の周りには黄色っぽい脂漏性湿疹も出始めました。ちょっと長男のときよりひどいな、と思いながら脂漏性湿疹にはワセリンなどのオイルを塗ってふやけてきたら沐浴でやさしく洗う、を繰り返していました。しかし脂漏性湿疹はよくなるどころか範囲が広くなり、ほっぺやおでこの赤みも日に日に増していきました。二か月を過ぎたころには胸や背中、お尻、ふともものあたりにも湿疹が出始めました。

Tゾーンとほっぺの皮脂の多い部分に湿疹が多く出ています。Tゾーンは赤みのない湿疹なので目立ちにくいです。

何種類か口コミの高いベビー用の保湿剤を試してみました。良くなる日もあれば悪くなる日もあり、大きく改善されることはありませんでした。

背中やおしりにもしっかり出ています。
乾燥してかさついています。
かゆくて自分でほっぺに傷を作る日々でした。このころから眉毛あたりの黄色い脂漏性湿疹は落ち着きました。
右下のほっぺからジュクジュクした液が出ることもありました。
お風呂上りは血行がよくなって顔中真っ赤でした。

生後3か月ごろに皮膚科を受診し食事指導を受けました。食事(母乳なので私の食事)に糖分が多いと指摘を受け、糖分を制限しはじめました。それと並行して処方されたステロイド含有の軟膏を塗布すると、2週間ほどで見違えるほどよくなりました。

おでこに掻き傷、ほっぺに湿疹が残るものの赤みが引いて顔の印象が変わりました。

最初の2週間でぐっと良くなりはしたものの、お肌の調子がいい日と悪い日があり、ほっぺの右下のジュクジュクしていたところはかさぶたを作って、掻いて破いての繰り返しでした。

生後4か月の写真です。まだ右下のほっぺに湿疹が残っていますがとってもきれいになりました(^^)
すっかりきれいになって、これ以降皮膚トラブルはありませんでした(^^)

生後4か月半には全身とってもきれいになりました。お薬が息子に合っていたことや、暖かくなってきて乾燥も軽減したことなどいろいろな理由はあるのかなと思います。これだけの乳児湿疹だったことや親族にアトピー性皮膚炎の者もいるため、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎は覚悟していましたが、次男はどちらもなく現在小学生です(^^)

最後に

正しいスキンケアを行うことで、すべてではないけれど皮膚トラブルを防ぐことができ、アレルギーが起きるリスクが下がるということも事実です。保湿剤に迷うときは、比較的ロングセラーでかつ口コミが高い(大きな問題が報告されていない)製品を使い、その子に合っていると感じるものを使用してみてください。

私自身、皮膚トラブルに悩み先の見えない不安から涙した日もありました。大切な大切なわが子のお肌だからこそ心配になり、神経質になるんだと思います。一生懸命ケアしても皮膚トラブルが起こることはあるし、アレルギーが出ることだってあります。そんなときはいつまでも落ち込まず、その子の個性なんだなぁと気長に関わることが大切だと思います(^^)

この記事で、スキンケアの方法や皮膚トラブルの対処などわかっていただけたら幸いです♪

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