子どもから性の質問を受けたときに絶対守る3つのルール
「なんでお父さんにはおちんちんがあってお母さんにはないの?」
「赤ちゃんってどうやって産まれるの?」
「私は女の子なのになんでお母さんみたいなおっぱいがないの?」
子どもたちの質問はいつでも突然です。シチュエーションにもよりますが、突然のことにドキっとすることがありますよね。ときには買い物中だったり、お友達が一緒にいるときだったり。
人間は予期しない事柄に対して様々な反応をします。驚き、怒り、拒絶などなど。突然の性の質問に対して皆さんはどんな反応をしますか?子どもたちは大人の反応をよく見ているので、望ましい反応でない場合「この質問はしてはいけなかったんだ、もうしないようにしよう」と思う場合も少なくありません。
性の質問が飛んできたときは絶交の性教育のチャンスです!性のお話しを落ち着いてすることができるために、大切なルールを3つご紹介します。これを読めば「いつでも質問しておいで~」とおおらかな気持ちで構えることができます。
子どもたちが性教育を前向きに楽しく学べるように、まずは大人が楽しく学びましょう✨
性の質問が多いシチュエーション
性に関心を持ち始めるのが3歳~5歳頃です。ちょうど幼稚園に入ったころですね。自分の性別がどちらなのか、男の子と女の子の違いについても理解し始める時期です。同時に色んな疑問が浮かんできます。
また性の質問が多い場面がお風呂です。裸のお付き合いであるお風呂場は体の違いに気づく機会が増えます。おふろに一緒に入るのはお母さんやお父さんというご家庭が多いので質問相手は必然的に親御さんが多いです。
男の子に多い「おちんちん!おしり!」連呼の理由
3歳~小学校1年生くらいまでは、お友達同士で「おちんちん!おしり!」などプライベートゾーンに関する言葉を楽しく言い合います。特に男の子に多い傾向がありますが、女の子でもゼロではありません。我が家の長女(4歳)もニコニコしながらお兄ちゃんたちと盛り上がっています(笑)
プライベートゾーンとは、胸、性器、おしりに口を加えた4か所です。本来はプライベートゾーンに関するお話は、おうちで(他の人がいないところで)、家族などの大切な人と、が基本です。ですが子どもたちはおかまいなしで楽しむこともあります。
例えばわが子がスーパーで「おちんちんいえーい!」「おしりやっほ~!!」と叫んでいたらどうしますか?
「スーパーでそんなこと言わないで!恥ずかしいでしょ!」と怒るかもしれませんね(^^)
子ども(とくに男の子)にとってはそれで満足なのです。女の子に比べて語彙数の少ない男の子は言葉で表現することが難しい場合があります。自分の想いをうまく表現できず、癇癪を起したり、もういい!とそっぽを向いてしまうこともあります。
お母さんなど周り人の気を引きたいときは、何をしてでも目立とうと思うのです。簡単に目立つことができるのが「おちんちん!おしり!」というプライベートゾーンに関係する言葉を大声で言うことです。彼らは、いやらしい意味で使っているのではなく、目立つために使っています(笑)するとお母さんお父さんだけでなく、他の人からも注目を浴びることができ、男の子はガッツポーズです。そのあと怒られても彼らにとっては問題ありません(笑)それが男の子というかわいいかわいい生き物なのです。
絶対守る3つのルール
話が少しそれましたが、性の質問を受けたときに必ず守るルールをご紹介します。
①怒ったり否定しない。
②恥ずかしがらない。
③嘘はつかない。
この3つを守ることができれば性の話に困ることはありません。難しいことではありませんので今日からでも始めることができますよ☺
①怒ったり否定しない
「どうしてお母さんにはおちんちんがないの?」という質問に
「どうしてそんなこと聞くの!女の人だからでしょ!そんな恥ずかしいこともう聞かないで!」と答えると子どもはどう感じるでしょう。
「お母さんを怒らせてしまった。聞いちゃいけないことなんだ。」と感じます。その子は今後お母さんに性の質問をするでしょうか。疑問に思ったことを誰に聞いたらいいのでしょう。
お母さんも怒りたかったわけではなく、突然のことにドキっとして怒りという形で表現しただけなのです。まずは一呼吸置きましょう。「どうしてそう思ったの?」など質問返しをすると自分の心を通常運転モードに戻し、どう答えようかと考える時間にもなります。
万が一怒ってしまったり「そんな話聞いてこないで!」などと拒絶してしまった場合は、気持ちが落ち着いてからでいいので「さっきは怒ってしまってごめんね。お母さんも突然のことでびっくりしてどうしていいかわからなくなってしまったの。」と素直に謝りましょう。親が謝ることって本当にとっても大切です。そして「さっきの質問だけど…」とお母さんが想うことをお話ししてください。性教育は素直であることが大切です。答えが間違っていてもいいし、わからなくてもいいんです(^^)一生懸命話す親の姿を子どもたちは忘れません。
性のお話は、家の中で家族にならなんでも聞いていいよというスタンスで関わることをおすすめします。
お外で性の質問があった場合はケースバイケースですね。「ほかの人もいるし、家に帰ってからお話ししようね」でもいいですし、答えたあとで「いのちのお話しはおうちの中でするルールだよ。この話を聞きたくない人もいるかもしれないからね。」とお話しするのも一つです。責める口調にならないことだけ注意してください☺
②恥ずかしがらない
「赤ちゃんってどうやってできるの?」
「えっと…それは…男の人の精子と女の人の卵子がくっついて…それで赤ちゃんに……」
性の話しをするときに恥ずかしくなる気持ちもとってもよくわかります。しかし用意期の子どもたちはいやらしい意味で聞いているのではなく、純粋に知りたいから聞いているのです。「どうして空は青いの?」と同じことです。
答える人が恥ずかしそうにしていると「聞いてはいけないことだったかな」と子どもに不安を与えかねません。よくわからないけど恥ずかしいものなんだな、という感覚をもってしまうかもしれません。性の話をするときには堂々とハキハキ話すようにしましょう。恥ずかしいのは大人だけです(^^)
③嘘はつかない
「私はどうやって産まれてきたの?」と聞かれ、
「コウノドリが運んできてくれたんだよ」「橋の下で拾ったんだよ」などよくあるジョークです(笑)これが嘘だとわかるのは大きくなってから。小さいうちは真に受けて「私は拾われてきたんだ。お父さんお母さんの本当の子じゃないんだ」と思う子も多くいます。子どもの自己肯定感が下がってしまうかもしれません。家庭での性教育は「私は産まれてきてよかったんだ。愛されているんだ」と感じることが一番大切です。大人が話しにくいから、と嘘をつくのはよくないことです。
何度も言いますが子どもはいやらしい意味で聞いているのではありません。出産のときのお話しは子どもにとって愛の塊のようものです。「〇〇ちゃんが生まれたときはお母さんお父さんもうれしくって泣いちゃったんだ。お父さんはずっと〇〇ちゃんを抱っこして離さなかったんだよ。」なんて聞くときっと嬉しくて心の中があたたかくなりますね🥰
絶対に嘘はつかない。お話しが下手でもいいので本当のことをお話ししてください♪
質問に答えるコツ
唐突な質問に対してすぐに返事が思いつくとも限りません。動揺したり話すことが思い浮かばないときには「なんでそう思ったの?」など質問で返してみます。平穏な心を取り戻すための時間になることもあります。
すぐに答えられないことなら「それはお母さん(お父さん)もわからないな。また勉強して〇〇ちゃんに伝えるね。」「いい質問ありがとう」など声をかえてあげてください。そして後日お返事するようにしましょう。大人だから親だからといって完璧に答えないといけないことはありません。先ほども言いましたが素直であることが大切です。
出産のときのお話しをするときにも一つ注意があります。いろんな出産がありますのでお母さんや家族にとってつらい想いをした出産だったかもしれません。出産のことを子どもに話す時には「痛かった、辛かった、死ぬかと思った」というネガティブな言葉は控えたほうがベターです。「ぼく(わたし)のせいでお母さんがしんどかったんだ、痛かったんだ」というネガティブな気持ちになります。辛かった出産の経験でも「とっても大変だったんだけど、そのぶん〇〇ちゃんの顔を見たときには安心して笑顔になったのよ。」「急にお腹を切る手術になったんだけどね、○○ちゃんがしんどいよ~って教えてくれたんだよ。おかげで元気な○○ちゃんに会えたからお母さん勇気出してよかった。ありがとう。」とあたたかな言葉で締めくくれるといいですね(^^)
よくある質問Q&A
よくある質問とその答えの一例をまとめてみました。答えかたは一つではありませんので参考までにご覧ください♪
Q:どうしてお母さんにはおちんちんがないの?
A:お母さんは女の人だからおちんちんがないんだよ。そのかわりにお腹の中に女の人しかない子宮っていう場所があるよ。女の人と男の人の違いを見つけたんだね。
Q:私はどうやって産まれてきたの?
A:○○ちゃんはお医者さんがこの日くらいに生まれてくるよ、と言った日より少し早く生まれてきたんだよ。早くお母さんやお父さんに会いたかったのかもしれないね。お母さんたちも早く会いたかったのよ。小さくうまれた○○ちゃんはそれはそれは可愛かったんだよ。でももう少し大きくなるまで暖かい箱の中で過ごすことになったんだ。暖かい箱の中でとっても気持ちよく眠っていたよ。大きくなってくれてありがとう。
Q:どうして私にはお母さんみたいなおっぱいがないの?
A:○○ちゃんももう少し大きくなったらお母さんみたいなおっぱいになるんだよ。小学校のおわりくらいには少しずつ女の人のからだになっていくよ。例えばおっぱいやおしりが丸くなったり、お股に毛が生えたりするよ。
先日の私と息子の会話も少しお話しさせてください。友達のおちんちんにボールが当たって痛がっていたとのこと、「おちんちん体の中にあったらボール当たらへんくて痛くないのにな~」と話していました。
「おちんちんが体の外についてるのなんでか知ってる?女の人の子宮はお腹の中にあるやろ?赤ちゃんが育つお部屋やからお腹の中にあって守られてるねん。男の人のタマタマの中には男の子の命の始まりの精子っていうのがいっぱいあるって言ったやん。その精子はあったかいのにめちゃくちゃ弱いねん。体のなかにタマタマがあったら精子はあったかすぎて生きてられへん。やから体の外にたまたまがあるんやで。」「へ~精子は暑がりなんやな。僕みたい。」と言っていました。
子どもの理解度に応じて柔らかい言葉を使いながら説明するといいですね(^^)子どもも親も楽しくオープンに性の話ができるように3つのルールを守ってもらえると嬉しいです♪