家庭での性教育が必要な3つの理由
「性教育が大事というけど、どのようにすればいいのかわからない。」
「学校で性教育の授業があるから親がする必要はないんじゃない?」
「自分たちも小さい時、学校の授業しか受けてないけど大人になってそんなに困ってないよ?」
というお父さんお母さん多くいらっしゃいます。私も自分が助産師でなければそう思っていたと思います。
学校で性教育をしてくれるなら親は関わらないで済むから楽だな、というのが本音ではないでしょうか。しかし、学校に任せていては性教育は不十分なのです!その理由とともに、家庭での性教育が必要な理由を3つ説明します。
性教育とは「いのちのおはなし」をすることです。
子どもたちが自分自身を守ることができ、自分や周りの人を大切にすることができる
ということが性教育の最大の目的です。
身構えなくていいんです☺うまく話せなくたっていいんです。
一緒に少しずつ学んでいきましょう♪
私が受けた性教育
皆さんはどのような性教育を受けてきましたか?
30代の私はというと、性教育の内容をあまり覚えていません。
覚えている限りでは、小学校低学年のときに自分の名前の由来を親に聞いてくる宿題がでました。
小学校高学年には、生理やナプキンの使い方の話もあったと思います。しかし私は他人事で全く聞いていませんでした。おかげで初潮を迎えたときに「なんじゃこりゃぁぁ!!」と衝撃をしっっっかり受けました(笑)
中学での性教育は覚えてませんが、高校では避妊や性感染症、妊娠についての授業がありました。
小学校低学年のときの授業は、性教育の授業とはとらえておらず、「生理、SEX、避妊についてを話す授業」が性教育だと思っていました。
現在の性教育
現在の性教育はどうでしょう。
息子が小学二年生のときに性教育の授業がありました。
・自分の名前の由来を聞く
・赤ちゃんの時から今までの自分の写真を準備、その時の好きな食べ物や遊びを聞く
・お腹の赤ちゃんの勉強↓
逆子なのが少し気になりますが(笑)
息子にこの授業どうやった?と聞くと、「僕はずっとお肉が好きなんやってわかった」とのことでした(笑)
日本の性教育の現状
教育現場での性教育は30年前とそれほど大きく変わっていません。
国が定めた学習指導要綱に沿って性教育は行われており、学ぶ時期が定められています。また指導要綱にない部分は学びません。
例えば、月経に関しては小学校4年生から学習します。しかし中には小学校4年を待たず初潮を迎える子もいます。知らないままに初潮を迎える不安や衝撃はかなり大きなものです。初潮に関しては誰が何歳で、というのがわからない分、もう少し早い段階で話ししておく必要があります。
また指導要綱にない性教育として、「性行」についてです。指導要綱には「妊娠経過は取り扱わないものとする」と記されています。
ただし、産婦人科医や助産師等の外部講師に依頼して講義を開催するのはOKになったそう。
性感染症や受精、妊娠経過については学ぶのに、そもそもの性交については学ばないのは…
卵焼きや目玉焼きの作り方を学ぶのにそもそも卵の割り方を知らない。そんな感じがします(笑)
日本ならではの「子どもにそんなこと教えるのはまだ早い」の精神がにじみ出ています。
性交を始め、性に関することの多くがタブー視されているのです。
この感覚で育った親世代の私たちやさらにその親世代の人たちは、子どもの時点で「性教育って恥ずかしいもの」と認識してしまっていませんでしたか?そしてまた子どもたちにその感覚が受け継がれるという負のループです。
大人が性の話題を話さず閉ざしてしまうと、子どもが知ることができなくなってしまいます。
するとどうなるか。
今の時代、興味が湧けばインターネットで簡単に調べることができます。インターネット上に溢れる誤った性に関する知識を持ってしまいかねません。
なんせ、日本のアダルトコンテンツの生産は世界トップクラスです(笑)
レイプまがいの内容や、お互い同意の上でないSEXを題材にしたものもあります。
「女の子はこうされることを望んでいるんだ」
「嫌がっているようだけど実は喜んでいるんだ」
もし自分の子がそう思ってしまったら?自分の子がそんな目にあったら?
本当に怖いことだと思いませんか?
低年齢での性交渉、望まない妊娠や性感染症の罹患、売春やSNSでの性被害など子どもの性被害は後を絶ちません。事前に知っていれば防げることもあります。
大人の「まだ早い」は、大抵が「もう遅い」のです。
月経や性感染症、避妊方法については性教育のほんの一部分であるにも関わらず、小さい時の性教育を十分に受けず、思春期で突然避妊などについて性教育を受ける、といのが多くの方が受けた性教育の印象ではないでしょうか。
つまり、性教育の基礎となる部分が不十分なのです。
性教育の基礎
「性教育の基礎が不十分というけど、基礎ってどんなこと?」と思われるかもしれません。
性教育の基礎は以下のことです。
- いのちの大切さを知る
- 自分が大切な存在だということを知る
- 自分のことも相手のことも大切にすることができる
- 自分のことを守ることができる(いやなときにはいやだ!と言える)
性教育の基礎は決して難しいことではなく、小さなお子さんでも理解できる内容なんです☺
この人間としての土台になる部分を小さいうちにしっかりと固めていきましょう‼
性に関する質問が始まるのは何歳から?
「なんで僕におちんちんがついているの?」
「どうしてママはおっぱいがあるの?」
「どうやって赤ちゃんは産まれてくるの?」
など性に関する質問が始まるのは3~4歳、5歳にもなると80%の子が性に関する質問をするという調査結果が出ています。
3~5歳といえば未就学児か保育園児、幼稚園児さん。
そのときに子どもが質問する相手は一番一緒にいる時間が長いお母さん、次いでお父さんです。
つまり小学校の性教育を待っていては子どもたちのなぜ?どうして?の気持ちにタイムリーに反応することができません。
男根期 byフロイト
精神分析学の創始者であるフロイトは子どもの各時期に名前をつけています。
その中でも、3~6歳は男根期と呼ばれています。
ネーミングがかなり大胆ですね(笑)
男根期とは、男女の違いに気づいていく時期とされています。
おちんちん!おっぱい!など下ネタ炸裂なのもちょうどこの時期です。
先ほども述べた性に関する質問をし始めるのも男根期に突入したからといえるでしょう。
自分は大切なんだと知るきっかけ
まず幼少期の最初の性教育として、自分は大切な存在なんだとわかることが何より大切です。
これを伝えるのは誰が適任だと思いますか?
君は大切な存在だよ、産まれてきてくれてありがとう、と心から伝えることは、お母さんやお父さんが1番適任だと思います(^^)妊娠中は毎日あなたのことを想い、命がけで出産し、命がけで子育てしてきたからこそ伝えられることもあります。子育ては決して短い期間ではありませんし、簡単なものではありません。子どもとともに怒ったり泣いたり笑ったりたくさんしたと思います。その素敵な思い出をお子さんに伝えてあげるのも性教育のひとつです✨
そのほかにも、兄弟、祖父母、先生やお友達からも「君は大切だよ」と伝える(伝わる)ことはとっても多いんです。
おやつを兄弟で分け「おいしいねえ」とニコニコ食べたとき
おばあちゃんおじいちゃんが誕生日プレゼントをくれたとき
泣いているときにお友達が慰めてくれた時
転んでケガをしたとき、幼稚園の先生が傷の手当てをしてくれたとき
色んなときにお子さんは愛を感じます。
これこそが自分は大切にされている、生きていていいんだと感じるきっかけになるのです。
多くの人からのたくさんの愛を受けることが性教育のはじまりです。
性教育とは、「愛の教育」であり、「いのちのおはなし」でもあるのです。
小学校の性教育を待たなくても、性教育をスタートすることはできます。
というよりはお母さんお父さんや周りの人が、知らないうちに性教育をスタートしてくださっているということになります✨
まとめ
家庭での性教育が必要な理由は以下の三点です。
①教育現場での性教育の開始は小学校から。性認識の開始(3~6歳)より遅いため。
②学校の性教育の学習指導要綱では教わらない内容があったり、その子の応じたタイムリーな時期での性教育にならない可能性があるため。
③あなたは大切なんだよ、と伝える最適任者はお母さんお父さんであることが多いため。
性教育に関してどんどんお伝えしていけたらと思っています(^^)
私も含めて、みんなで令和の性教育をアップデートしていきましょう‼