妊娠中の体重管理。太りすぎ、太らなさすぎはよくない?

妊娠中に課題になるのが体重管理…現在妊娠中の私ですが、ドキドキしながら体重測定をしています(笑)

しかし巷では「妊娠前から25キロ太ったけど赤ちゃんも私も何も問題はなかったよ。」「妊娠前から今まで体重が変わってないから出産したらダイエットになるかしら♪」なんて話もちらほら。

そもそもなぜ妊娠したら体重が大切なの?体重って増えても増えなくてもどっちでもいいんじゃない?という疑問について、①妊娠中の体重について、目的や起こりうる合併症②体重増加の目安③私の体験をお話します♪

体重管理をしないとどうなるの?

実は、諸外国では体重管理をしない国もあります。「妊娠すれば体重が増えるのは当たり前」という感じだそう。もちろん、臨月には赤ちゃんは3㎏前後、胎盤や羊水などで1㎏、お母さんの血液量の増加や赤ちゃんを寒さや衝撃から守るための脂肪がつき体重が増えるのが自然です。

また、体重管理をしているほかの国でも、日本の体重増加の推奨値と異なっています。もっと言えば日本の中でも推奨する体重増加量がそれぞれ微妙に異なるのです。

え、じゃあ体重管理って別にいらなくない?と思う方もいますよね。

しかし妊婦の体重に関連する様々な報告によると、肥満妊婦さん(妊娠前のBMI25以上)の過度な体重増加は、妊娠高血圧症候群・妊娠糖尿病・帝王切開分娩・死産・巨大児、児の神経管閉鎖障害の可能性が高くなる、反対に痩せ妊婦さん(BMI18.5以下)で体重増加が少ない方は、切迫早産・早産・低出生体重児・周産期死亡の可能性が上がるのことが報告されています。さらに後者の痩せ妊婦さんの赤ちゃんは、大人になってからの生活習慣病との関与も指摘されているのです。

妊娠の有無にかかわらず肥満であることは生活習慣病のリスクが高いですよね。妊婦さんにも同じことが言えます。また産道に脂肪がつきすぎると、大きく育った赤ちゃんを経腟分娩することが難しい方もいらっしゃいます。

痩せ妊婦さんは脂肪だけでなく筋肉量も少なく早産傾向にあると考えられます。子宮を支える筋力や骨盤周囲の筋肉も少ないのです。また、お腹の中で十分な栄養をもらうことができなかった赤ちゃんは、常に飢餓状態のスイッチが入っています。産まれてからも飢餓状態はインプットされているので、体に脂肪を蓄えようと少しのエネルギーでもしっかりと吸収するため、将来的に生活習慣病の可能性が高くなるとされています。

できるだけ母子ともに危険が少なく出産するためにも体重管理はとても大切だとわかります。あくまで私の考えですが、日本がきっちりと体重管理をされている背景には、真面目で慎重な国民性も関係しているのではないかと思っています(^^)

体重増加の目安は?

体重管理はそれぞれの妊娠前の体型(BMI)をもとに考えます。

BMIとは、体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)

例えば、身長155㎝で体重50㎏の方の場合BMIは、50(㎏)÷1.55(m)÷1.55(m)=20・8  

ということになります。ざっくりとですが、BMI18.5~25は標準体型、それ以下は痩せ、それ以上は肥満ということになります。妊娠前のBMIによって体重増加の目安は以下のようになります。

「妊産婦のための食生活指針」改定の概要(2021年3月)より
すこやか親子21 (平成18年)

文献によって誤差がありますし、私が習った10年前からも変わっています。母子手帳やクリニック独自のパンフレットに体重増加の目安が載っているので照らし合わせてみてください。私の感覚ではすこやか親子21(二つ目の図)が用いられていることが多い印象ですがどちらも間違いではありません。

痩せ妊婦さんは妊娠してからしっかりと体重を増やす必要がありますし、肥満妊婦さんの体重増加は少ない方がいい、ということです。標準体型の方でもこの体重増加の目安が一番合併症の可能性が低いということですから、調整していきたいですね(^^)わからない方や不安な方は、医師や助産師に相談して個別指導を受けましょう♪

また、急激な体重増加はお母さんにも赤ちゃんにも負担がかかります。浮腫みで体重がぐっと増えることもあるため、一週間あたりでの推奨体重増加量もあります。(以下図参照)

妊娠初期はつわりの状況にもよるため体重はそこまで気にしなくてもいいです。過度な体重減少(体重の10%以上の減少)には注意していただき、本格的な体重管理はつわりが落ち着いてから徐々に始めましょう♪

ここまで体重大事!体重大事!!と言っていましたが、バランスの良い食事も同じくらい大切です。体重管理はうまくできていても毎日カップラーメンや外食ばかりでは栄養が偏るだけでなく、塩分の摂りすぎ合併症の可能性が上がります。つわりの時期は、栄養バランスを考えずに食べたいものを食べてOKです(^^)厚労省が出しているサイトがありましたので載せておきます。

ママのための食事BOOK

私の体験談:+5㎏で出産した長男、+12㎏で出産した次男

私の体験談を少し。私はもともと標準やや痩せ型、長男の時はつわりがひどくぐっと体重が減りました。つわりが長引き妊娠26週頃にやっと妊娠前の体重に戻り、そこからは順調に体重が増えました。切迫早産にもなり、長期の自宅安静と6週間の入院生活をしました。予定日より3週間早く出産したこともあり、最終+5㎏の体重増加でした。余分な脂肪はほとんどなくお腹も小さく妊娠しているのに気づかれないほどでした。産まれた長男は2400g台の低出生体重児、週数が早めとはいえ少し小柄でした。産後1日目には私の体重は妊娠前に戻っていました。産後はさらに体重減少して授乳中は妊娠前の-4㎏、BMIでも痩せ体型になり、なんとなく体がだるい、イライラする時期もありました。卒乳したら体重は妊娠前に戻りました。

一方次男の時は食べづわりで妊娠初期から体重が増えました。食べることが幸せで、おいしく食べて過ごしていました。次男のときにも切迫早産で自宅安静と入院をしましたが長男の時の半分の期間でした。妊婦健診の度に体重はドキドキで、最終+12㎏で予定日に出産、3100g台でした。私の体重は産後すぐは‐4㎏、妊娠前の体重に戻ったのは産後3か月でした。体調不良もなく二人目ということもあってか楽しく育児をして過ごしていました。

長男次男ともに切迫早産にはなったものの、大きなトラブルなく母子ともに健康でした。私の場合は+5㎏の体重増加では足りなかったと振り返っています。標準体型といえ、やや痩せ型なので10㎏前後の体重増加が母子ともに合併症の可能性が低く出産に臨めると感じました。第三子、第四子は+8㎏、+10㎏の増加でそれぞ3000g超えの赤ちゃんで母子ともに健康でした。長男が大きくなって生活習慣病になったら自分のせいかな、と後悔しそうですが…悔やんでも仕方ないのでできることをしていこうと思っています(^^)

私の体験談を話しましたが、これはあくまで一例にすぎずそれぞれの妊婦さんにとって適切な体重管理をすることがとっても大切です。元々の体型やつわりの状況によっても異なるため、悩むときにはその都度助産師に声をかけてください♪赤ちゃんや自分に何か起こるのを極力避けたい、無事に出産を終えたい、これは全妊婦さんの願いです。無事に妊娠出産する可能性を少しでも上げるために体重管理は大切なんです。

最後に

体重管理はお母さんと赤ちゃんを守るために大切だとおわかりいただけましたか。医師や助産師の中には体重について熱血指導される方もいらっしゃいます。しかし時には妊娠中の不安定なメンタルもあり、医療者からの一言で傷ついてしまうこともあるかもしれません。私たちも一生懸命頑張っている妊婦さんへのねぎらいの気持ちを忘れてはいけませんね(^^)

体重管理に悩むこともあると思いますが、お母さんがゆったり過ごすことでお腹の赤ちゃんもゆったり過ごすことができます。体重が増えることは幸せなことなんだと私は思っています。一人目のときは特に体重制限しているつもりもありませんでしたが、食べるのが辛い期間が長かったからかなと思います。ごはんをおいしくいただける、食べることで幸せを感じることができるのはとってもいいことです☺お母さんが食べたもので赤ちゃんが成長する時期なので、食事内容を見直すいい機会!と思うのも一つですね。

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